そして、クリスマスイヴ。
仕事復帰の日。
傷はまだ塞がっていないし、
筋肉は戻っていないけど私を待っていてくれるお客さん達のために出勤した。
傷を見て「大変だったね」
と心配してくれる人たち。
「今日は退院祝い!」
と言って何もせず、話だけで帰っていく人たち。
でも、頑張って仕事をした人もいる。
今日は指名で埋まってしまっていた。
しばらくは1勤1休にしてみた。
よかった・・・
次の日が休みで。
朝起きようとしたけど、起き上がれない。
体のあちこちが悲鳴を上げている。
たった3週間でこんなに筋肉って落ちるんだ・・・
実感した。
年内は今までよりペースを落として仕事をしよう。
社会復帰は難しいなぁ・・・
 
ヒロが退院祝いをしてくれた。
入院中に読んでいた雑誌に載っていた白金のフレンチのお店。
大好きな毛がにが出ていたのだ。
まだ絶食中に
「ご飯が食べられるようになったら連れて行って!」
と懇願していた。
「退院して元気になったら連れて行ってあげるから、早く出てらっしゃい」
と笑っていたヒロ。
お店に予約を入れてくれた。

恵比寿で待ち合わせをしてタクシーで白金まで行ったが、
少し顔の青い私を見て「また今度にする?」
と心配させてしまた。

美味しいものが食べられるなら明日ぶっ倒れても大丈夫。

注文はもちろん「毛がに」
蒸しあがってキレイにカットされたその子はガラスの器に盛られ得意顔。

そんなの私達にかかれば秒殺。
同じくらいに出てきた隣のテーブルが半分も食べ終わらないうちにこっちの器は空になっている


お店の人もビックリするくらいの早さみたい。
美味しかった・・
セルカキも三陸産、サロマ湖産、的矢産・・・

生きててよかった。
本当に心の底から思った。


まだこれから冬本番だというのにもう傷がシクシクしてきた。
この先どうなるんだろう・・・
この傷も私も仕事も・・・
なんだか心までシクシクしてきた。


トップへ戻る






職場復帰 食欲旺盛(笑)

この私小説は 私、結城歩の体験を基にした話です。
同性の方にはもちろん、
異性の方にも是非読んでもらいたいなと思っています。
絶望のどん底の底、そんな中にも希望が溢れている筈と信じて、、、 結城 歩



過去の回はこちらから

第26回